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日本のインフルエンサーマーケティングを取り囲む様々な壁

アバターエミコ
2019.09.26
ワールドワイド

世界から見た日本のインフルエンサーマーケティングとその問題

「日本のインフルエンサーマーケティングは中国に比べて3年遅れ」

インフルエンサーマーケティングが主流になりつつある現代、それでも日本は世界から見るとインフルエンサーマーケティング後進国とも呼ばれている事実があります。

特に中国などは同じアジアでもインフルエンサーマーケティング技術に長けており、そこと比べると日本は3年も遅れていると言われています。

もちろん、国民性や年齢層の違いなどがあり、「有名タレントが宣伝している物しか信用しない」ということも多かったり、「そもそもネットを見ない」という高齢者が多いという原因もありますが、それでも中国ではただ投稿するというだけではなく、「インフルエンサーを物販につなげる」「ファンクラブを作る」「影響力をマネタイズする」といった先進的な使い方に挑戦することも多く、マネタイズへの熱意が異なります。

そんな世界からみたインフルエンサーマーケティングと、日本のインフルエンサーマーケティングの違いや問題点を比較してみましょう。

■■目次■■

日本のインフルエンサーの役割

繋がり

日本では、インフルエンサーの役割として、単発での投稿をして広報をするなどといった、モデル――つまり、広告塔としての役割を期待されます。

もちろん、それは正しいインフルエンサーマーケティングのやり方なのですが、「単発」「モデルとして」といった役割だけだと、AというインフルエンサーさんとBというインフルエンサーさんでは売り上げに差が出ることもあります。

それは、インフルエンサーが抱えるフォロワーの層や、そもそものインフルエンサーのやる気が異なるという理由があるのです。

一方、海外では、インフルエンサーに「経営者的なマネジメント能力」「セルフプロデュース力」を求めることが多く、より強い影響力、まさに「インフルエンサー」としてのポジションを求めるのです。

自らコンテンツを考え、与えられた商品をより魅力的に見せ、より多くのフォロワーに買ってもらうにはどうしたらよいのか。

そうしたことを工夫する「熱」のあるインフルエンサーが求められます。

当然、その分「インフルエンサーへの対価」も大きく、また、インフルエンサーがどのような投稿をするか、どのようなブランディングをするかといった自由も与えられています。

日本では、「上が決めた投稿方法で」「費用は出来る限り安く」といった、末端の自由を奪う依頼が多いため、こうした点でも開きが出てしまうのでしょう。

もちろん、「インフルエンサーにお任せ」「インフルエンサーのプロデュース力に頼る」というやり方では、万が一の炎上や期待外れな結果に終わる可能性もありますが、海外の場合それを見抜く・そして責任を負うのが上の役目とされており、また、真面目に成果を上げた者にはそれ相応の報酬を、不誠実な者はすぐに手を切るといった、ビジネスライクな考えもインフルエンサーマーケティングが発展する理由になっているのではないでしょうか。

新しいことに挑戦する勇気を

トライアゲイン

日本人は保守的な民族と言われています。

もちろん、先進的な技術や考えを持って積極的に新しいことに挑戦する人もいますが、比較的新しいことに対しては奥手であるという事は、高齢者がスマホを使いこなす率が先進国の中で低い部類に入ると言われていることからもわかります。

ですが、インフルエンサーマーケティングは新しいマーケティングのやり方。

例えば、以前「若者に新聞を読んでもらうには?」という実験的マーケティングで、「インスタグラマーに一緒に写真をアップしてもらえればいいんではないのか?」という安直な考えで、こぞってインフルエンサーたちが新聞写真をInstagramにアップしたところ、「おしゃれな紅茶と写る新聞」「かわいい女の子が新聞を掲げている写真」「キーボードと写真」といった、大変シュールなホーム画面が出来上がってしまったという事案がありました。

ただただ「宣伝」=「インフルエンサーに投稿してもらう」というのは古い考え。

それならば『新聞にイメージキャラクターを作って、そのキャラのアカウントを作ってしまう』『新聞の何らかのキャンペーンを投稿する』といった使い方の方が、より効果的だったかと思います。

このように、画一されたやり方だけではなく、色々な「面白いかも」「新しいかも」といった、「かも」でも提案でき、実行できる環境も、これからのインフルエンサーマーケティングの場において重要になるのではないでしょうか。

細かい確認や調整はAI・もしくは外注依頼

トライ&エラー

Instagramに限らず、SNSは細かい確認や調整が必要。かつトライ&エラーで投稿の反応を見ていく必要性があるため、どうしてもそちらに手がかかってしまいことも。

ですが、こうした細かい作業や統計を洗い出す作業は外注に頼んだり、AIに任せるというのも手。

例えばInstagramはインサイトという分析ツールがデフォルトで備わっているため、各投稿の反応やリーチ数、フォロワーの傾向などを手早く、手軽に確認することができます。

 

インサイトについてはこちらで詳しく
https://pretake.jp/information/insight

こうした機能はInstagramほどではないにしろ、TwitterやFacebookにもあるため、分析のための情報は非常に集まりやすいでしょう。

また、コメントなどの生の反応についても、忙しい管理職ではなく、若くInstagram含むSNSなどに詳しい新人社員の方が傾向を掴みやすいこともありますので、適材適所で情報を集めて行った方が余計な手間も省け、一石二鳥でしょう。

こうして空いた時間やエネルギーをマーケティングの設計や、インフルエンサーの選定、投稿する内容のアイデア出しなどに使うと、より効率的に、より良い結果が出ます。

「すべて自分でやろうとする」そんな外注下手なのも日本の企業の悪いところ……と世界的にも言われています。

効率的に仕事をすることは決して悪いことではありませんので、任せられる部分はAIや外注に依頼するのも良いでしょう。

これからの時代はフォロワー数よりもエンゲージメント数

ヴァイラルマーケティング

今までは、SNSはフォロワー数こそが正義と言わんばかりに、より多くの人にフォローしてもらうことをメインに考えられていました。

ですが、これからは「エンゲージメント数」が絶対になると言われています。

一人が複数のアカウントを持つことも可能なSNS。

また、興味のない物でもフォローしてそのままなこともあるため、フォロワー数はあまり頼りにならないと考えられるようになったのです。

それゆえ、目指すところは「紹介したものが売れるかどうか」という、経済的影響がメインになってきています。

海外ではそうした考えの移行が早く、単純にフォロワー数の多いインフルエンサーは依頼がなくなり、自然淘汰されるようになっています。

もちろん、トップインフルエンサーのように、絶大なフォロワー数を抱えたインフルエンサーはニーズがなくなることはありませんが、購入の見込めないフォロワー数だけが多いインフルエンサーを選ぶ必要はないと判断されるのです。

この兆候はメルカリ・ラクマなどのフリマアプリが出現しはじめたころから、見られるようになりました。

なぜかというと、個人間の売買が当たり前となり、物を買うという行為が「企業対個人」ではなく「個人対個人」ということが広まったから。

昔は個人店が当たり前で、野菜を買うにしても、箸を買うにしても『対個人』が当然だったのですが、デパートやスーパーの進出辺りから、「企業から物を買う」という感覚になっていたのです。

ですが、手軽なEC構築サービスや、ネット環境により、より個人が世界につながるようになると、再び消費が『対個人』と変わっていったのでしょう。

そのため、『個が売る力』がより必要となり、その商品を買ってくれない数万人のフォロワーがいるインフルエンサーよりも、ほとんどが製品を買ってくれる2000人のフォロワーがいるインフルエンサーが大切という認識になってきたのです。

インフルエンサーマーケティングの世界と日本の市場規模

データ

アメリカのメディアキックス社が世界のインフルエンサーマーケティングの市場を試算してみたところ、市場は約5億ドル(日本円で560億円)になる計算になったとのこと。

参考:メディアキックス社記事

その内、Instagramでのインフルエンサーマーケティングの市場規模は10億ドルになるとのことで、この先、Instagramでのインフルエンサーマーケティングの市場は更に割合を増していくのではと言われています。

一方日本のインフルエンサーマーケティングの市場規模は、2015年で26億円ほどといわれており、まだまだ少ないとも言えるでしょう。

また、日本では、①YouTube②Twitter③Instagramの順番でユーザー数が多いのですが、海外では圧倒的にFacebookが多いところも、日本との違いが見られる部分です。

ですが、各SNSでのインフルエンサーマーケティングの市場規模でのシェアは、Instagramが64%と多いため、動画や画像がメインのコンテンツはかなりの影響力があることは確かです。

参考:ECのミカタ記事

こういったことから考えられる、今後のインフルエンサーマーケティングの市場の傾向は、今後も数を増していき、ネット環境に触れることができる多くの人が横ばいになるであろう2010年まで緩やかに増えていくと考えられています。

極端な例ですが、砂漠の遊牧民でテレビなどが見られないマサイの人々ですらスマホがあればネット環境につながることができるため、テレビよりもインターネットメディアに触れる人の人口が増えることから、テレビや雑誌といった物よりも消費者が増えてくるでしょう。

それに伴い、今後もインフルエンサーマーケティングの市場は益々増えていきますので、より新しい考えを持って、積極的にインフルエンサーマーケティングに関わっていくことが重要となります。