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課題だらけの日本のインフルエンサーマーケティングに立ち向かうには?
インフルエンサーマーケティングはSNSが当たり前の時代になってから進化し続け、今ではCMや広告などの古くからあるマーケティングと同等、もしくはそれ以上に「身近にあるマーケティング手法」として存在するようになりました。
ですが、保守的な日本ではまだまだインフルエンサーマーケティングを受け入れていない層も存在し、インフルエンサーマーケティング自体「よくわからないもの」として、半ば敵視している方たちもいます。
世界的に見ても日本のインフルエンサーマーケティングにはたくさんの課題が残されています。
今回はそんな日本のインフルエンサーマーケティングにおける課題について、詳しくお伝えしていきたいと思います。
課題その1:インフルエンサーの定義が曖昧
インフルエンサーマーケティングにおいて、真っ先に挙げられる課題は、そもそも「インフルエンサーの定義が曖昧」ということがあります。
インフルエンサーとは「影響力のある人」。
つまり、彼らが紹介したものを多くのファンが見聞きし、購買意欲をそそられ購入につながるようなマーケティングルートが最も理想的なのですが、日本はアメリカや中国と異なり、モデル事務所は数多く存在していても、インフルエンサーの事務所と言うのは極少数。
そのため……。
- 一部の人気インフルエンサーに依頼が集中、単価が高かったにも関わらずリーチが伸びず、思ったよりも効果が出なかった。
- プロ意識やモラルのないインフルエンサーのせいで炎上してしまった。
- そもそも期待していたよりも費用対効果が悪かった。
- 自社で抱えるインフルエンサーのみを使ったため、利益を重視していたのに思っていた以上に効果がなかった。
など、こうした問題が生じることが多々あるのです。
中国やアメリカなどでは、ある程度のインフルエンサーは基本的に事務所(エージェント)に所属しており、事務所を通して、まるでモデルやタレントを雇うのと同じように、契約してインフルエンサーに投稿してもらったりすることがほとんどです。
そのため、炎上しないよう投稿内容をチェックしてもらえたり、炎上してしまったとしても保証があったりと、双方にメリットがある形になっているのです。
最近では、インフルエンサーと契約し紹介してくれる会社も増えてきましたが、中を見るとフォロワー数が多いインフルエンサーをピックアップしてくれるだけだったりする場合もあるため、しっかりと選定する必要があるでしょう。
因みに、インフルエンサーの定義として……。
- リーチ力がある
- ファンへの影響力がある
- ある程度のフォロワー数はもちろんある
- ブランドのことを理解して、しっかりと紹介できる意識がある
と、このようなリストをクリアしていることを条件としていた方が良いでしょう。
課題その2:企業側がインフルエンサーに期待していることが曖昧かつ大きすぎる
インフルエンサーマーケティングの課題として、そもそも企業側がインフルエンサーマーケティングを理解していないことが多い、ということもあります。
- 「インフルエンサーに自社製品を紹介してもらえば買ってもらえる」
- 「投稿すればフォロワー数が増える」
- 「なんとなくバズりたい」
など、ふわっとしていて、かつインフルエンサーマーケティングの労力というものを知らない場合が多いのです。
インフルエンサーマーケティングというのは、もちろん最終的にはサービスを利用してもらったり、商品を買ってもらうきっかけになることが目的かと思います。
ですが、そのためにまず「知ってもらうこと」。
そして、知ってもらうためには「ブランド力を作ること」。
ブランド力をつけるために「ブランドを確立させること」が大切なのです。
インフルエンサーたちは、「ブランドを知ってもらうこと」にを手伝うのは得意ですが、「ブランドを作る」のは企業側の大切な仕事。
ブランドをしっかり確立させ、ブランディングを行うことによって、インフルエンサーマーケティングがスムーズに行えるようになるのです。
このような問題にこたえられるように、企業側はインフルエンサーマーケティングを考えた時点で……。
- フォロワーとして増やしたいターゲットはどの層か
- 何のタイミングでバズりたいか
- 何の目的でインフルエンサーマーケティングを使いたいのか
こういったことを洗い出すようにしましょう。
もちろん、そもそものブランドを確立させていない場合は……まずはブランディングを行い、基本となる足場を固めることを優先させましょう。
課題その3:企業がインフルエンサーのクリエイティブ性を閉じ込めてしまう
これも、日本の企業独特のことなのですが(もちろん、諸外国でもこうした問題はあるかもしれませんが)、企業側が一から十まで指示出しをした結果、せっかく独創的な投稿ができるインフルエンサーを雇っていても、広告っぽい投稿をさせてしまい、フォロワーの反応が悪くなるどころか、印象すら悪くさせてしまうケースが多々あります。
すべてインフルエンサーに任せてしまうのはもちろん不安かもしれません。
ですが、例えば「旅行先の投稿をメインとしているインフルエンサーが、急に『このマッサージチェアが良い』」なんて投稿をしたら、フォロワーから「どうしたの?」「広告? 宣伝?」なんて言われてしまうでしょう。
そうなると、せっかく投稿してくれたインフルエンサー側のフォロワーも減ってしまうこともあり、双方にデメリットでしかありません。
もちろん、インフルエンサー側がどのような投稿をするか、炎上してしまうようなことはないかなどのチェックは必要なのですが、昔ながらの企業>下請けという考えは、今の時代のインフルエンサーに当てはめることは難しいでしょう。
依頼主もインフルエンサーも対等であると考え、インフルエンサーの意見や考えを尊重していく依頼の仕方を考えなくてはいけません。
こうした問題を解決する一番の方法は、インフルエンサーが普段発信している内容と、企業側の狙いができる限り同じであるインフルエンサーに依頼をすること。
また、インフルエンサーは副業であることが多いため、依頼をした当初の約束を違えず、都合に関してはできる限りインフルエンサー側に寄り添ってあげる柔軟さを持つことが必要でしょう。
課題その4:インフルエンサーの相場がわからない
インフルエンサー=Instagramで好きなように写真を投稿しているだけ。
そんなイメージがあるからか、「無償で」というお願いをしてしまうケースが多々見られます。
また、「今後のキャリアにプラスになるだろうから、無償でやって欲しい」などということもあります。
これは、現代の問題でもあり、写真やイラスト、ハンドメイド製品などを「趣味でやっている」「だからタダでやってもらえる」という認識が根付いてしまっていることから出てきてしまっています。
費用を払ってくれるという場合でも、「一か月間、車はこちらでお貸しするので、日本各地の旅行スポットの写真を撮って投稿してください。『費用は3万円で』」などという無茶な案件があることも……。
企業側としては、車をレンタルするのだから、旅行もできてお金も少額なら出すのだから良いだろう、という気持ちがあるのかもしれませんが、人間一人生活するのに1か月3万円で生きることは不可能です。
ましてや、1か月間そのインフルエンサーは仕事を休まないといけないのです。
仕事は辛いもの、好きなことをしているのは趣味なので、タダでやってもらいたいという考えはNG。
相場がわからない場合は、インフルエンサーの仲介をしている会社などに聞いてみたり、インフルエンサーに直接質問してみるのがよいでしょう。
この問題は、企業側が「相手の時間を買っている」「相手の技術やコツコツと活動してきたからこそある、フォロワー数に対価を払う」という認識を持てば済む、簡単な課題だったのです。
課題その5:インフルエンサー起業家の増加
インフルエンサーが増えてくる一方で、多くのフォロワーに支持され、力を持ったインフルエンサーも増加するようになってきました。
そんなインフルエンサーは、自らの立場を利用し、ブランドを立ち上げ、企業かとしてビジネスを広げるケースが増えてきています。
例えば、メイクの投稿で人気のHuda Kattanさんは、人気インフルエンサーの枠を飛び越え、自らのコスメティックブランドを立ち上げた上に、ミリオンダラー企業にまで発展させていきました。
もちろん、インフルエンサーの未来が明るくなる話ではありますが、このようなインフルエンサーが増加していくと、同じジャンルでの案件を引き受けにくくなってくることや、メガインフルエンサーの起用が難しくなってくるという問題も出てくるようになります。
このようなインフルエンサーの増加によって、企業側の依頼が少し不便になってしまっていくことも懸念されます。
課題を少しでも解決してマーケティングするには
このように、課題を見ていくと、インフルエンサー側・企業側、どちらにも考えるべき部分が多く、インフルエンサーマーケティングを躊躇ってしまうこともあるかもしれません。
ですが、これから恐らくマーケティングの主流となっていくであろうインフルエンサーマーケティングに乗らない手はありません。
インフルエンサー側の問題を解決し、少しでも安心して任せられるには。
自分たちの認識を明確にし、最大限の費用対効果を出すには。
こうした問いにお答えできるよう、プレテイクではこれらの課題をすべて解決できるノウハウを持ってインフルエンサーマーケティングのお手伝いをしています。
少しでも不安なことがあれば、お気軽にメールフォームよりご相談ください。